この世界にたった二人だけの兄弟 どんな時も二人で生きてきた
高校生の弟・直貴の進学費用のために空き巣に入り、強盗殺人を犯してしまった兄・武島剛志。
直貴は、唯一の肉親である兄が刑務所に15年間服役することになり、突然孤独になってしまう。
兄が殺人を犯した事実はすぐに広まり、加害者家族となった直貴に向けられる周囲の目は一変した。
高校卒業を控えたある日、直貴の元に服役中の兄から1通の手紙が届いた。それから月に一度、欠かさず手紙が届くようになる。
兄からの手紙には獄中での穏やかな生活が書かれている一方、直貴は「強盗殺人犯の弟」という肩書により、バンド・恋愛・就職と次々夢を奪われ苦しみ続けていた。
年月が経ち家族を持った直貴は、ある出来事をきっかけに、ついに大きな決断をするのだった。